バービー人形用の'60年代バギー
久しぶりにモデルカーのネタです。1960年代から現代に至るまで、GIジョーやバービー人形を乗せる為の自動車玩具は存在していて、GIジョーに代表されるミリタリー系のものは、今やすっかりリアルになっていますが、1960~'70年代のものはディテーリングが素朴で、スケールも人形とキチンと合わずチグハグな感じ。しかし、玩具としては、なんというか捨て難い味があります。
写真は1960年代、北米におけるマテル製品の一大ディストリビューターであったERWIN(アーウィン)社がバービー用に製造して販売も手懸けたもの。1960年代に同社が発売したバービー用自動車としては、サーモンピンク成型色のビッグ・ヒーレーやライトブルー成型色のホットロッドが有名ですが、このバギーはあまり知られていません。
実車の世界では1960年代半ば以降、1973年頃まで、アメリカ西海岸に端を発するバギー・ブームが起こり、当時自動車玩具の世界でも、多くのバギー玩具が登場するに至りました。写真のバギーもそうしたものの1つですが、その中でもごく初期に登場したものと考えられます。というのも、このバギー、なんとも似つかわしくない奇妙なホイールキャップとドラッグ・スリックの足回りは、前述の同社製ホットロッドから流用されているからです。1960年代末~1970年にかけてのバギー玩具で、このディテールは無しでしょう。従って、このバギーが世に出たのは1965~'66年、遅くとも'67年頃と想像されます。
このバギー玩具が題材に選んでいるのは、ジョージ・バリスと並んでハリウッド劇中車ビジネスを席巻した著名カスタマイザーであるディーン・ジェフリーズがデザインと販売を手懸けたバギー、「コヨーテ(KYOTE)」です。実車コヨーテは元来モンキーズのTV番組のために生まれ、1965~'70年に500台が製造販売されています。
前述のように足回りはホットロッドからの流用なのですが、シンプルなブロー成型でありながら、そのフォルムは極めて忠実に実車コヨーテの特徴を捉えています。ヘッドライト、シート、エンジン部分などにマスキングでシルバーの吹き付け塗装が為されており、クロームパーツのステアリングが付きます。写真の個体では黒いロールバーが失われています。元来のウィンドウスクリーンの有無は不明。このバービー仕様の後、1970年代に至って、同じ金型が流用され、ボディ色をグリーンやイエローに、タイヤをバルーン・タイプに変更した製品が出ています。これは男児用人形メーカーとして有名な「メゴ」社の「アクション・ジャクソン」人形用として世に出たものです。


