|
プジョーの歴史はバネや鋸の刃をつくることから始まった
プジョー家はすでに15世紀頃からフランスの東部、スイスとの国境に近いモンベリアール近郊で暮らしを営んでいました。そして1810年、ジャン=ピエールとジャン=フレデリックのプジョー兄弟が“粉挽きプジョー”の水車小屋を改築して、冷間圧延鋼製造工場を建てたのがプジョー社の始まりです。
1918年に冷間圧延の新技術で特許をとってからは鋸刃の製造を開始、その切れ味と強靭さが大好評となり、プジョー家は飛躍的に成長を遂げました。その後、農業用フォークや左官用コテ、かんな、ナイフなどのプロ用道具類の分野を充実化、宝飾細工用の金槌や大工道具なども製造しました。1840年には、それらの流れでコーヒーミルや胡椒挽きなどの日常用具も製造しはじめたのでした。
|
プジョーのライオン君は現在150歳オーバー!
プジョー家の工場で製造された鋸の刃は堅牢にしてしなやか、切れ味も鋭いということで評判を呼びました。そのイメージが、まるで獲物に飛びかかるライオンの強靭な歯を思い起こさせる、ということで、プジョー社は1850年に自社製品に商標としてライオンのマークをつけ始め、それを1858年に商標登録。以来百獣の王はプジョー社のシンボルとして様々なところに刻まれています。
 今でこそ「ブルーライオン」と親しみを込めて呼ばれていますが、初期の頃のライオン(写真は1880年のもの)はリアルで迫力のある図柄でした。
|
|
走るプジョーのヒストリーは自転車から始まった
プジョーといえば自動車というイメージが完全にできあがっていますが、人間を乗せて走る一番最初の乗り物は、実は自転車。
現代の目から見ればサーカスの自転車のようなアクロバティックな姿をした最初のモデルの登場が1882年、今の自転車に近いモデルの登場が1885年。その後は、ロード・レースなどで成績をあげて世界的な存在に成長していくことになるのですが、1897年に自動車部門が独立すると、自転車製造部門は再編成され、二輪と三輪にエンジンを載せたモデルを製造し始めます。これが後のプジョー・モトシクル社となり、こちらはこちらでレースの分野でも一般市販の実用オートバイの分野でも成功をおさめるなど発展を続け、現在に至っているのです。
|
あのドラマの敏腕刑事だってプジョーを気に入っていた
戦前の202、302、402といった広い意味での第2世代プジョーは、ラジエーター・グリルの中に2つのヘッド・ランプを埋め込んだ独特の表情を持っていたが、戦後初のモデルとなった203は当時のアメリカ車によく見られたタイプの、プジョーにしては凡庸といえる顔立ちを持っていました。
しかし、その後継であり、1クラス上のモデルともなる403シリーズは、メカニズムに革新的なところこそなかったものの、いかにもプジョーらしいといえる美しいスタイリングをまとっていました。イタリアのカロッツェリアがデザインしたこのフォルムは世界的に好評で、カブリオレなどドラマの主人公の愛車となってテレビに登場したほど。403は「刑事コロンボ」にも愛されたのです。
|
|
プジョーとシトロエンが兄弟といわれるようになった事情
プジョーのクルマ作りは真面目で良心的、時代に対応する堅実なやり方でここまで来ているといえます。企業としての経営方針も堅実そのもの。ところが、同じフランスの自動車メーカーでありながら、革新的な発想と技術力を誇ったシトロエンは経営状態が悪化を極め、1973年、企業として完全に立ち行かなくなりそうでした。そこでフランス政府の仲介で、プジョーとの合併が決まりました。そして部品の共用化、共同開発などが進められることになったわけです。それが兄弟といわれる理由です。
しかし、合併直後のシトロエンLNが104クーペそのもの、第2作目のビザが内外装は独自だが中身は104そのものだったものの、今では部品を共用しつつ、乗り味は全く異なるものになっています。
|
プジョーはラリーの世界王者。その最初のマシンは205だった
プジョーは史上初の自動車レースといえる1894年の「パリ〜ルーアン」で2位になるなど、古くからモータースポーツに参戦し続けていますが、その歴史の中で最もプジョーが猛威を振るったのは何かといえば、WRC=世界ラリー選手権での活躍です。とりわけ熾烈なまでの激戦区となっていた1980年代のグループB時代は物凄かったのです。
84年のデビュー年には、シーズン中途参加ながら3連勝、85年は敵なしのメイクス・チャンピオン、続く86年も王座を得ました。このときのマシンは、街でも元気な205をベースに、4WD+ミドシップ+DOHCターボで武装したスペシャル205ターボ16。カタチは似ていますが、通常の205とは中身は全く別物といえる怪物でした。
|
|
胡椒挽きやコーヒー・ミルは今でも手に入れることができる
どこで手に入るかというと、プジョーのディーラーに足を運べばいいのです。ウッド製のペッパー&ソルトミル・セット、コーヒーミル、金属製のペッパーミルとソルトミル、ワイン用ボトルストッパーなどが販売されています。プジョー乗りならぜひとも自宅のキッチンまで、プジョーで彩りたいところ。デザインもシンプルかつ美しいので、プジョーを知らない友達へのプレゼントにも、喜ばれそう。
|
フランスに旅をするときには、プジョーのミュージアムに
プジョーが好きで好きでたまらない人なら、ぜひとも一度は足を運びたい場所があります。オートモビル・プジョー発祥の地に近いフランス東部のソショーにある「Musee Peugeot」(プジョー・ミュージアム)です。1800年代から生産されてきた700点を軽く超えるクルマや自転車、道具類が展示。200年近くの歴史がギュッと凝縮されているのです。
■Musee Peugeot 公式サイトへ■
|