モデルカー対談編集長対決!

第二回:スロットカーについて語ろう!
モデル・カーズ編集長の長尾循氏と、当ホビダス編集長の山田剛久。名コンビを組んで、クルマ模型専門誌「モデル・カーズ」を作ってきた盟友二人が、モデルカー趣味を語るスペシャル企画。三週連続でお送りする第二回目のお題は流行の兆しを見せる"スロットカー"!

長尾: この「スケーレクス・トリック」製ケーターハムは、僕が20年間乗り続けてるスーパーセブンを再現したものなんですよ。ちょっと手を加えて自分仕様にしたの。レーシング・スクリーンだけは実車と違うけど。

 
  ケーターハム・スーパーセブン
スケーレクス・トリック1/32スロットカー(改造)

スケーレクス・トリックが3年ほど前に発売したスーパーセブンのスロットカーには、ロータス、ケーターハムともども、幾つかのカラー・バリエーションがあった。写真のモデルはボディ塗装やホイール交換などにより、長尾編集長が自らの愛車を再現したもの。

山田: 国防色グリーンにイエローの8本ホイール、「ナガウオ・セブン」の再現。実車のハンドルを握り、そしてスロットカーでもセブン。これはオーナー冥利につきますね。

長尾: そう。自分の愛車を再現して、しかも走らせることができるのは楽しいですよ。ボディはプラ製だから、塗装はプラモデルと同じ要領でできる。元のボディが塗装してあるものだと剥離する作業が必要になるけどね。8本ホイールは他のスロットカーから流用したもの。

山田: 近年の1/32スロットカーは、ダイキャスト・ミニカー同様に、スケール・モデルとしての完成度が格段に良くなった。明確な牽引役はスペインの「フライ」で、これに刺激を受けたドイツの「カレラ」やイギリスの「スケーレクス・トリック」といった老舗が追随、「オートアート」など新興の参入もあって、競うように全体のクオリティが上がった。ベースの出来が良いからこそ、長尾さんのようなモデラー体質の方が「ちょっとイジってみよう」という気になるんだと思う。

長尾: そうですね。「1/32」というスケールは、ミニカーで一般的な1/43よりは大きくて存在感があるけど、大き過ぎるわけでもない、正に「手ごろ」なサイズ。だから、ミニカーと同じ感覚でコレクションするにも適している。以前、「フライ」の社長と話す機会があったんですけど、実際、コレクターに重きを置いた製品展開をしていると語っていました。無論メーカーごとにスタンスは異なるでしょうけどね。
 
BMW 3.5CSL フランク・ステラ「ミリメートル」
フライ1/32スロットカー
BMWアートカーの初期四天王の1台にして究極と言われるグループ5マシーン、「ミリメートル」を再現したフライの限定品。方眼紙様のグラフィック再現は圧巻。同・限定シリーズとしては、他にBMWアートカーの1号車、「BMW 3.5CSL アレクサンダー・カルダー」もある。

 

山田: これは最近「フライ」から発売されたBMW3.5CSLの限定品で、フランク・ステラが手懸けたアートカー「ミリメートル」、そして奇しくもさっきのミニチャンプスと同じアンディ・ウォーホルが手懸けた「BMW M1」。限定品になると通常のプラケースじゃなくて、こうした化粧箱体裁となる点も最近のミニカーと同じアプローチだね。それにしても、このミリメートルの方眼紙状のタンポ印刷は本当に驚異的だよ。かつては絶対にマスプロ化できない車種の筆頭と思われていたのに…。 ルックスの点では1/32スロットも行き着くところまで行っているし、コレクション市場重視という考え方は、マニアックな車種の選び方にも現れている。1960〜'70年代の車種が多いのは明らかにメイン・ターゲットの世代を絞り込んでいるからだし。基本的に「オヤジ」狙い。我々が狙われている(笑)。

長尾: うん、確かにそうだね(笑)。


 

長尾循(ながおじゅん)/写真左
プラモデルからミニカー、ホワイトメタルやティントイまでを紹介する、クルマ模型専門誌「モデル・カーズ」の名物編集長。穏やかな語り口とソフトな人当たり、そしてアナーキーなモデリングにはファン多し。愛車のケータハム・スーパーセブンとは20年間の付き合い。カー・マガジンでもお馴染み。

山田剛久(やまだたけひさ)/写真右
当Webの編集記事をとりまとめるホビダス編集長。若き日々に国内スカコア系の元祖的バンド「レピッシュ」に在籍したという怪しい経歴を持つ。長尾編集長とは、同い年で「モデル・カーズ」の脇を固めるディープな別冊編集を手懸けた名コンビ。「ホットウィール」と1960年代のスロットカーが大好物。

ローラT70MK-III
フライ製1/32スロットカー

フライ製スロットカーにおけるスケール・モデルとしてのクオリティに対する評価を決定付けた傑作のひとつ。


アンディ・ウォーホル
フライ1/32スロットカー

アンディ・ウォーホルが自らハケ塗りでペイントしたというBMWのGr.4マシーン「BMW M1」アートカーを再現したフライの限定品。化粧箱入り。


1/32スロットカー・レース動画
東京・巣鴨のスロット・サーキット「ルート66」におけるレースの動画です。CCDカメラによるスケール・スピード500km/h(?)のスロットカー車載映像は必見です!


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