笹本:それは非常に興味深い話ですね。だからでしょうか、いま河村さんがお乗りになっているクルマ、F40や288GTOなんかを見てると、F355やF512Mをモディファイして乗られていたころと、フェラーリに対する考え方も変わってきてるんじゃないかな、って思うんです。外見より内面重視なのかな、と。
河村:たしかにそれは言えると思いますね。音楽と同じようにクルマも経験を積むにつれて、自分自身も勉強してきてるんだと思います。クルマも以前は外見上のインパクトを求めて、見た目の派手さみたいなものを追いかけてた部分があったんですけど、いまは“実”が伴っていないとシビれなくなってきましたね。
河村:F355はサウンドも素晴らしいし、運転も非常にしやすい。「なんていいクルマなんだろう」って思ってました。でもその一方で、もっとすごいクルマがフェラーリにはあるんだ、これが終着点じゃないんだって、って思うようになっちゃったんです(笑)。
笹本:そんな気持ちになった河村さんは、次にどういう行動に出たんですか?
河村:12気筒のF512Mを手に入れました。
笹本:多くのフェラーリ信者が歩む道を、河村さんも歩まれたわけですね(笑)。
河村:まっしぐら、です(笑)。F355にもフレアのフェンダーを着けたりしてたんですが、このF512Mには完全にケーニッヒのコンペティションのように、オリジナルでモディファイをしてしまいました。
河村:実は、いまROSSOでも連載しているF40には、LMカウルがついているんですが、これも以前の僕だったら、オリジナルのリトラクタブルライトの方がカッコイイと思ってたと思うんです。でも、ル・マンなんかを戦うために、空気抵抗やフロントの軽量化を図る目的で埋め込み式にしたということなんかを知ると、そういったバックボーンも含めてその方がカッコイイと思えるようになったんです。実際に運転して、ハンドリングのクイックさや回頭性の良さを実感するとなおさらです。
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