社長対談、フェラーリと、音楽と…ゲスト河村隆一さん
フェラーリに乗ることが音楽性にも影響したかも知れません

笹本:ところで、フェラーリに乗ることで、“アーティスト河村隆一”として影響を受けたことはありましたか?

河村:大いにあったと思います。

笹本:それはどんなところですか?

河村:運転するのが好きなので、気分転換も兼ねてよく高速なんかを流すんですが、フェラーリに乗っていると、つくづくクルマって“楽器”だと思うんです。エグゾーストノートは、エンジンの回転に合わせて低音から高音まで音階のように変化していきますし、ブレーキを踏むタイミングとかヒール・アンド・トゥをするタイミングとか、すべてリズムが重要になってくる。下手な人が運転するとフェラーリってギクシャクするけど、上手い人が乗るとすごい滑らかに走るじゃないですか。そういう意味で「これってまさに音楽じゃないか」って思って。そうしたフェラーリとの対話が、僕の作曲活動にも大きく影響したと思います。

笹本:それは非常に興味深い話ですね。だからでしょうか、いま河村さんがお乗りになっているクルマ、F40288GTOなんかを見てると、F355F512Mをモディファイして乗られていたころと、フェラーリに対する考え方も変わってきてるんじゃないかな、って思うんです。外見より内面重視なのかな、と。

河村:たしかにそれは言えると思いますね。音楽と同じようにクルマも経験を積むにつれて、自分自身も勉強してきてるんだと思います。クルマも以前は外見上のインパクトを求めて、見た目の派手さみたいなものを追いかけてた部分があったんですけど、いまは“実”が伴っていないとシビれなくなってきましたね。

河村:F355はサウンドも素晴らしいし、運転も非常にしやすい。「なんていいクルマなんだろう」って思ってました。でもその一方で、もっとすごいクルマがフェラーリにはあるんだ、これが終着点じゃないんだって、って思うようになっちゃったんです(笑)。

笹本:そんな気持ちになった河村さんは、次にどういう行動に出たんですか?

河村:12気筒のF512Mを手に入れました。

笹本:多くのフェラーリ信者が歩む道を、河村さんも歩まれたわけですね(笑)。

河村:まっしぐら、です(笑)。F355にもフレアのフェンダーを着けたりしてたんですが、このF512Mには完全にケーニッヒのコンペティションのように、オリジナルでモディファイをしてしまいました。

河村:実は、いまROSSOでも連載しているF40には、LMカウルがついているんですが、これも以前の僕だったら、オリジナルのリトラクタブルライトの方がカッコイイと思ってたと思うんです。でも、ル・マンなんかを戦うために、空気抵抗やフロントの軽量化を図る目的で埋め込み式にしたということなんかを知ると、そういったバックボーンも含めてその方がカッコイイと思えるようになったんです。実際に運転して、ハンドリングのクイックさや回頭性の良さを実感するとなおさらです。

笹本:いまは色々な面で理論的に解析して、それらを積み重ねることで自分が「こうだ!」と思ったらそれをトライしてみる。そして、結果が出たらそれは自分にとってものすごく得ることが大きい。私は河村さんとクルマ趣味を通じたお付き合いさせていただくなかで、河村さんの趣味のベクトルが、そういう方向に向いているんじゃないかと感じているんです。そしてそのことは、初めてカバーアルバムをリリースされたことにも通じているんじゃないかと思っているんですが、いかがですか?

河村:そうですね。今回のアルバムで選ばせていただいた曲はすべて、誰もがその歌声まで焼き付いている歴史的な名曲ばかりです。だから、それをカバーするということはクルマでいうところのモディファイと一緒で、新しい魅力を生み出す場合もあれば、逆の場合もあると思うんです。そういう意味でカバーという行為自体、僕にとって大きなチャレンジだったことは間違いありません。「自分がここをこうすればもっと良くなるんじゃないか」とか「やってみたんだけど、やっぱりダメだったから元に戻そう」とか、表面だけでなく内面にも重視した作業は、笹本さんがおっしゃるように、僕の趣味の方向性と通ずる作業だったといえるかも知れませんね。

笹本:趣味と仕事は別物だと思いますが、いい趣味に出会うと仕事にもいい影響が出るということを、今回河村さんのお話を聞いて、改めて実感しました。本日はありがとうございました。

evergreen

約2年ぶりのソロアルバムとなる『evergreen〜あなたの忘れ物〜』は、誰もが知っているラブソングの名曲ばかりを集めた初のカバーアルバムです。河村さんが甘く透明なヴォーカルが奏でる名曲の数々は、ある人は新鮮に、ある人には懐かしい想い出として映ることでしょう。幅広い年齢層が楽しめる珠玉の1枚です。『「いちご白書」をもう一度』『恋におちて〜Fall in love〜』『OH MY LITTLE GIRL』『オリビアを聴きながら』『愛燦燦』など14曲が収録されています。また6月23日からは全国ツアーもスタート。詳しくはオフィシャルサイトまで。

なお、今回河村さんのご厚意により、この『evergreen〜あなたの忘れ物〜』を抽選で5名様に“直筆サイン入り”でプレゼントします。

2006年6月30日をもってプレゼント応募期間は終了しました。
厳選なる抽選の上、商品の発送をもって当選者の発表とさせていただきます。

 
フェラーリF40スペシャル

フェラーリF40スペシャル

対談中にも登場した河村さんの所有するF40がこちら。現在「ROSSO」誌上でレポートをしており、LMカウルをはじめ河村さんらしい“実”のあるモディファイが加えられたスペシャルモデルだ。

フェラーリ288GTO

フェラーリ288GTO

グループBカテゴリーのレースに参戦すべく企画されたスペシャルモデルで、その生産台数は272台と非常に少なく希少性の高いエンスージャスト垂涎のモデルである。

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