
共に昭和39年生まれ、スーパーカーブームの洗礼を受けたTipo編集長の嶋田智之氏と、Rosso編集長の櫻井健一氏が、“スーパーカー”について熱く語った。

櫻井:
世間一般的に言うと、フェラーリとかランボルギーニ、アストンマーティン、ターボ付きのポルシェとか、そのあたりは誰もが認めるスーパーカーということになってるね。
嶋田:
スーパーカーの定義って難しいよ。ある人は、『パフォーマンスがスーパーじゃなきゃ』とか『真っ平らで、尖ってなくちゃ』とか、人それぞれ。
櫻井:
大事なことは、“速そうに見えること”。たとえ、実際には速くなくても。
嶋田:
遅くったってスーパーカー、とまでいうと語弊があるかもしれないけれど、最高速度が300キロでも200キロでも、それよりも大事な要素がある。こんなことを言うと怒られちゃうかもしれないけどさ、スーパーカーとしては“B級”と呼ばれちゃってるクルマたちも大好きだね。
櫻井:
たとえば?
嶋田:
ポルシェ914。実際にはライトウェイトスポーツみたいなもんなんだけど、俺的にはスーパーカーカードにもなってたからオッケ。スーパーカーブームの時にスーパーカーとして紹介されてたしね。トライアンフのTR7もそう。リトラクタブル・ヘッドランプだからいいんだ。
櫻井:
スーパーカーブームの渦中にいた子供達は、実際にはオーナーではないわけ。本で仕入れた情報がすべてだったりするから、写真とスペックの数字を元に、頭の中で作り上げたイメージが速ければそれでいい。
嶋田:
ベルリネッタ・ボクサーに初めて乗ったときのことなんだけど。とあるところで、4速全開で疾走してたワケ。シートの後では“クォオーン”と12気筒が吠えてね。これがフェラーリサウンドなんだ! と感激して、5速に上げようとしたら、横をジワジワとソアラが抜いていくの(笑)。拳が入りそうなくらい太いマフラーから“ヴォー”なんて音立ててさ。メーターをチラリと覗くと、これがまた結構なスピードを指してるんだけど、実際にはそれほどスピードが出ていなかったんだろうね。
櫻井:
そんなものだよね。あの時代のスーパーカーって。だけど、それでがっかりしたかって言うと……。
嶋田:
そんなことないんだ。スピードでは国産チューンドカーにちょっと負けてたけれど、ソアラよりも明らかにBBの方がカッコイイんだもの。他の何物にも代えられない。あれは、ひとつの“宇宙”だった。
櫻井:
独自の宇宙をもったクルマ。それがスーパーカーといっていいのじゃないかな。
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